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zoom RSS 「前」という漢字の正反対の使われ方

<<   作成日時 : 2017/04/24 15:38   >>

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●昨年11月に、友人のK君からのメールに次のように書かれていた。

最近気がついたのは「前」ということば。
「前向きに生きろ」とか「もっと前をみて」というときの「前」は「先」とか「未来」の意味だけど「いつまでも前にこだわっているな」とか「前の仕事はなに?」というときの「前」は「後ろ」か「過去」の意味になる。
同じことばが文脈によって正反対の意味になってしまう「前」って?
(以上、メールから関係部分をそのまま引用)


●K君から「前」の言葉に関して正反対の使われ方がしているとの問題提起があったが、
僕は、それまで何の疑問も気づいてなかった。
言われてみると、なるほど一つの漢字が正反対になるなんて不思議だ!
と、頭の片隅に記憶が残っていました。

K君のことを思い出すたびに、「前」のキーワードが頭を横切るので、
文学関係の知識は乏しいですが、疑問に感じたことを調べるのは好きなので、自分なりに調べてみました。


●先ずは漢和辞典、広辞苑をメモ。
(一番頼りにしていた広辞苑は、今回は一番頼りなかったと実感。)
次に「前」の付く言葉をメモ。
更にネット上で、それらの語源について検索してメモ。

そうして得た情報を、分析して自分なりにまとめてみました。
以下がそのまとめです。


●「前」は以下のように、分類できる。
なお、各言葉の意味を説明する目的ではなく、
視点を何に置くかで使われ方が異なる点に注目して整理したものです。
各言葉の意味は、辞書等を参照お願いします。

@空間の「前」
目・顔・自分・物・地に近い方が前。
該当する語は、目前、前衛、前後、前進、前線、前面、前方、出前、建前、江戸前、右前
注釈:建前と本音は、建物の正面が建前で裏や中からは違って見える(=本音)。江戸湾は江戸から見て江戸の前でそこで捕れたものを指すようになった。昔の国名は都に近い方が前(備前、越前、豊前。筑前、陸前、羽前)。右前は右側の布が下側で自分に近い。(なお、左前は転じて別の意味にも使われる→右前が通常で左前は異常から転じ経営不振などの意に)目や顔の場合は右を向くと右が前に、後ろを向いた時点で後ろが前に変化する。

A時間の「前」
時間的に古い方が前。
該当する語は、前縁、前科、前期、前掲、前人、前任、前夜、以前、前頭
注釈:ある時間を指定するとそれより古いのが前(紀元前、戦前、朝飯前)。前頭(まえがしら)は、前相撲(先に取る相撲)と役力士相撲があり、本来は序の口から平幕までを前相撲の意味で前頭と言い、番付表には十両・幕下以下にも「同」と書かれ、この同は前頭に同じを意味する。

B順序の「前」
順序・序列的に先、1番・上位に近い方が前。
該当する語は、前期、前座、前菜、前段、前半、前兆、腕前、男前、気前、御前、名前
注釈:腕前、男前、気前は腕・男・気が1番の意から非常にいいという意味に。御前は格がかなり上位の人(特に女性)をさす(御前様、静御前)。前期は時間と順序の両方の意で使われている(前期決算は時間、細胞分裂の進行過程を前期・中期・後期は順序)

C転じた「前」
当然から転じた前。
該当する語は、当たり前、一人前、分け前
注釈:「当然」に別の字を当て「当前」に、これを訓読みして「当たり前」に、この当たり前の意味から生じた語が「一人前」と「分け前」。当たり前の仕事ができる・当たり前の稼ぎがあるから「一人前」に、仕事・働きに応じた当たり前の取り分として分けてもらうことから「分け前」に。


@〜Bは序列(空間・時間・順序)があるものを意味し、密接な関係にある。
それが、空間的に先の順か、時間的に早い順か、順序的に上の順かの違いである。
正反対と思われるのは実は基準となる視点をどこに置くかで変わるため。
(北を向くか南を向くかで前が変わる、昨日は現在からみると前だが江戸時代から見れば前ではない。)
通常は自分中心に考える場面が多いため、自分、今いる場所、今の時間を基準に物事の「前」を判断するが、基準を相手や別の地や別の時代に置くことで、そこから判断したところが「前」になる。

Cは@〜Bとは無関係に使われるようになったもの。

●以上のように、大きく分けると@〜Cに分けて使われている。
Cだけは特殊な別系統の使い方。

●したがって、冒頭の「前向きに生きろ」とか「もっと前をみて」は、空間的な「前」で、
「いつまでも前にこだわっているな」とか「前の仕事はなに?」は、時間的な「前」の使い方になる。

「前向きに生きろは」どちらを向いても向いた方が「前」だが、実は省略された(隠された)キーワードがある。
ポジティブを意味する言葉だ(夢とか希望とか目標など)。空間的にその方向を向いて生きろということだ。
「もっと前を見て」も同様な使われ方だ。「前をみて」なら「目標(夢、希望)の方をみて」だが、「もっと前をみて」なので「もっと大きな目標の方をみて」とかの抽象的な表現である。


とのレポートをまとめました。
K君をはじめ、他の方からも修正・検討を要する点などを指摘をいただき、考え方を完成出来たら有難いです。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この記事面白いですね。勉強になります。
店長がバイト学生に言った。「前を見て仕事をしよう。」(クヨクヨするな。頑張れよ。)
お役所で上司が言った。「前を見て仕事をしよう。」(何事も前例踏襲でお願いします。)
虹法師
2017/04/27 13:26
虹法師さんのコメントの後段の部分に関して、反論するみたいで恐れ多いですが、役所の仕事も2タイプあり、@全国画一的に制度の執行運用がなされないと公平性を欠く仕事・・これが国民の目に一番見える部分。A常に改善・新設・創設・新たな対応などが求められる部分・・国民対象の窓口がないため目に直接触れることはまれ。多くの国民は役所は@だと思っているが、実は役所にはAの部分が非常に多くの部分を占めている。@は公平性の観点から担当者が勝手な解釈や判断で他と違うことをするのが許されない世界。Aはキャリアの人たちを中心に多くの人がかかわり、そこは前例踏襲が全く通用しない世界。国を例に話しましたが、都道府県や市町村でもおおむね同様。虹法師さんのコメントはあくまで@に関してのお話ですね。
わけい
2017/05/06 15:53

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