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zoom RSS いつも見ていた花は、ムクゲだった

<<   作成日時 : 2018/08/08 09:19   >>

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●毎日の散歩コースでいつも見る花
毎日、犬の散歩で通る緑道に多く植えてある花木で、たくさん花が咲いているのですが、名前が分からず気になっていました。
ネットでその花の名前を調べてみました。
手掛かりとして、何となくフヨウに近い植物かと思い、「フヨウ」で検索して調べてみた。
やっとのことで、八重の「ムクゲ」だということが分かりました。
調べる段階で、関連して色々な収穫がありました。

●ムクゲは、アオイ科(葵、Malvaceae)のフヨウ(ハイビスカス)属の植物
・学名は「Hibiscus syriacus L.」 (ヒビスクス シュリアクス リンネ命名)
属名の「Hibiscus」は「フヨウ(ハイビスカス)属」、種形容語の「syriacus」は「シリアの」の意。
なお、分類上は、ヤエムクゲ(八重木槿)であっても色が異なっても「ムクゲ」として、「Hibiscus syriacus L.」の学名で記載されています。

・英名は Rose of Sharon(特に北米)、Rose Mallow(英国)。

・フヨウ属には、フヨウ、ハイビスカス、ムクゲ、ケナフ、ハマボウ、オオハマボウ、モミジアオイなどが含まれています。

・また、アオイ科には、ワタ属のワタ、トロロアオイ属のオクラ、タチアオイ属のタチアオイのよく知られた植物も含んでいます。
APG植物分類体系(DNA解析による新しい分類体系)では、パンヤ科(ドリアン、バオバブ、パキラ)、アオギリ科(カカオ)、シナノキ科(モロヘイヤ)などのよく知られた植物もアオイ科に含んでいます。
意外な植物が、近縁で、驚きました。

画像
ヤエムクゲの花 2018/08/07撮影


●名前の由来
中国名を「木槿(ムゥーヂン)」と言う。
ムクゲの名前の由来は、@中国名の「木槿」を音読みした「モクキン」の転訛説と、A韓国名の「無窮花(ムグンファ・ムキュウゲ)」の転訛説がある。
日本の「木槿(ムクゲ)」は、文字が中国名の方を使用していることから@の説と考える。「ゲ」は「花」で、「木槿+花」で、「ムクゲ」と転訛したと考える。今でも「ムクゲ」は「モクゲ」とも言います。Aの説なら、読みは理解しやすいが、なぜ文字が「「無窮花」でないのか疑問が残る。
日本には奈良時代に中国から渡来し、平安時代の「和名抄」に「木波知須(キハチス)」とあり、キハチス(ハチス)という日本の古い名前があった。

※ムクゲの昔の名の「キハチス」は、花の咲き方がハス(ハチス)に似ているから。ハスは果実が蜂の巣に似ているため「ハチス」と呼ばれたが、後に「ハス」になった。ハスが水上植物で、ムクゲは「木」なのでキハチスと呼ばれた。
※和名抄:平安時代の漢和辞書「和名類聚抄」の略。国語史学・古代文化の研究に重要な資料。

●原産地
中国南中部・南東部原産。
中国はじめ中近東にまで自生しているが、学名の「Hibiscus syriacus」のシリアが原産国ではない。それは、シリアで採取された標本を基にリンネが記載したため、シリアが種形容語(種小名)に使われたものです。学名は標本を基に記載するため、その標本が原産国か否かは、その後の研究で判明するもので産地を代表するかは、論文の発表時にはそこまで考慮する必要がないのです。

●韓国の花
ムクゲは、長きにわたって韓国の人々に愛されてきた花。高麗時代には「槿域(グンヨク)」「槿花郷(グンファヒャン)」という国(ムクゲの国の意)の呼称も存在した。ムクゲはまさに韓国の歴史とともにある花。大韓民国の国花で、国章にも意匠化されており、その数でホテルの格付けを表す。
※2016年7月6日、韓国の国会議員の間で韓国国花を法律で正式にムクゲと定めようとの声が高まり、「大韓民国国花に関する法律」の制定案が提出された。ムクゲのうちの1種を正式に国花に指定し、8月8日を「ムクゲの日」と定め、国花の意味を考える日とする法案でしたが、その後どうなったのか制定された旨の情報はないです。(偶然にも本日は8月8日です。)

朝鮮では、一つの花は短命だが、夏から秋に次々と長く咲き続けるので、無窮花(ムグンファ)と愛(め)でた。
朝鮮の名も、「朝、鮮やかに咲く」ムクゲに由来するらしい。

●俳句でも読まれている
夏から秋(7〜10月)にかけて白、紫、赤などの美しい花をつける。花芽はその年の春から秋にかけて伸長した枝に次々と形成される。
一日花とも言われ、朝花が開き夕方にはしぼんでまた翌朝開くものもあるが、たいていはそのまま翌日も開花し続け、一重のもので2〜3日、八重の長く咲くもので2週間くらい咲くらしい。

俳句では秋の季語。
俳句にもいろいろ読まれていますが、その中でも特に印象に残った一句を紹介します。
松尾芭蕉は1684年(貞享元年)『野ざらし紀行』の旅で、
「道のべの 木槿(もくげ)は馬に くはれけり」
という句を詠んだ。名句だそうだ。
解釈:
「芭蕉は馬に乗っている。前方にムクゲの花が咲いている。芭蕉はこの花に惹きつけられる。ムクゲが咲いているなと思い、だんだん近づいていく。とそのとき、それまで芭蕉の視界には全くなかった馬がひょいと現れて、瞬間ムクゲの花が消えていた。馬に食べられて消え去ったムクゲだが実に鮮やかな花だったなあ。」

●中国では
・ムクゲは古代の中国では舜(しゅん)とも言われた。朝開き、夕しぼむ花の短さから、瞬時の花としてとらえられた。
「時経(じきょう)」に、女性の顔を「舜華」と例えた記述がある。白楽天も一日花を「槿花一日自為栄」と歌った。

・中国 唐代の有名な詩人 白居易の文集の巻十五「放言 其の五」の一節に、
「松樹千年終是朽 槿花一日自成栄」訳:松の木は千年の齢を保つがいずれは朽ち、ムクゲの花は一日の命だがその生を大いに全うする。
この語句「槿花一日自成栄」の「わずか一日のはかない栄え」の意の部分から、「槿花一日」、「槿花一日の栄」、「槿花一晨の栄え」、「槿花一朝」、「槿花一朝の夢」のことわざが出来ました。これらは「人の世の栄華は長く続かず、はかない」ことの意で使われるので、「むくげ=はかない」の関係に考えられました。

●日本でも
・そのような経緯から、むくげは禁花、嫌花、忌花、避花など「禁忌」として扱われ、時代・流派などにより扱いに違いがあったが、現在でもその影響は残っているようです。
・日本の古い文献に禁忌として扱われた書物は多くあります。
華道書の「仙伝抄(1536年)」では「禁花」。
「池坊専応口伝(1542年)」「立花正道集(1684年)」「立花便覧(1695年)」では祝儀の席では避けるべき花。
「替花伝秘書(1661年)」「古今茶道全書(1693年)」では「きらひ物」「嫌花」。
「立花初心抄(1677年)」「華道全書(1685年)」「立華道知辺大成(1688年)」では「一向立まじき物」「一向立べからざる物」として使用を忌んでいる。
1767年の「抛入花薄」では禁花。

※現在でも、ケースにより避けるべきこともあるようです。
・祝儀の席では、ムクゲは一日花で「木槿一日の栄」などと言うので避ける。
・茶花では、八つ花形(八重咲きの花)は派手なので避ける。
・仏花としては、散るのが早い花は避ける。

※そう言えば、以前、石垣島に行ったとき、地元の人からハイビスカスはこちらでは好まれないとの話を聞いた。
ムクゲはハイビスカスの仲間です。
ハイビスカスは仏桑花(ブッソウゲ)と言う。石垣島などでは後生花(グソウバナ)とも言い、死人の後生の幸福を願って墓地に植栽する習慣がある。
仏桑花の名前の由来は、中国ではハイビスカスを「扶桑」(他にもある)と言う。日本では、この漢名の「扶桑」の後ろに「花・華」の語を加えて「扶桑花・華」(ブッソウゲ)と言った。この花を仏前に供える習慣から、「扶」に「仏」をあて「仏桑花・華」(ブッソウゲ)になった。
ももいろクローバーの歌に「仏桑花」(さだまさし 作詞・作曲)がありました。恋する娘の父・母を思い・感謝する内容の歌詞ですが、何か物悲しく切なく感じました。

●「扶桑」は日本の別名だった
・古代、中国で「扶桑」は日の出る東海の中にあるとされた神木またそれがある土地。転じて、日本の異称とされた。
例えば、「扶桑略記」は平安時代の私撰歴史書の一つ、室町時代作成の行基図(地図)の名称は「日本扶桑国之図」、平田篤胤 (1776 - 1843) は著「大扶桑國考」(1836年)で中国の伝説の扶桑は日本とした。

・三菱ふそうの名の由来について、同社のホームページで「B46型乗合自動車が誕生(1932年)した際、愛称を所内募集し、当選したのが「ふそう」の名前。「ふそう(扶桑)」とは、古くより中国の言葉で「東海日出る国に生じる神木」を指し、日本の異称としても使われた。実在する扶桑の木は扶桑花(ぶっそうげ)と呼ばれ、一般にはハイビスカスの名で知られる。」(要約)と書かれていました。
「三菱ふそう」って、今風に言うと「三菱JAPAN」の意味だったんですね。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
この芭蕉の一句には「馬上吟」と前書きがあり,視点の高い句になっています。私は最初に読んだときに感動しました。さっきまであったはずのものがもうない,という無常観。東日本大震災のときにこの句を思い出し涙しました。
リアルET
2018/08/12 13:59
こんにちわ。
言われてみると、リアルETさんのおっしゃるとおり、東日本大震災の状態と重なりますね。いやあ実に、奥が深い句ですね。
わけい
2018/08/12 17:54

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