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zoom RSS 「サボテン」の語源について

<<   作成日時 : 2018/08/27 14:14   >>

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★ 「サボテン」はいったい何語?
外国にも、「サボテン」と言う言葉はあるのか・・・

結論を先に書きます・・・日本で作られ日本だけで通用する造語です。

●英語のcactusの語源はギリシャ語のkaktos
 まず、「サボテン」は英語で「cactus」ですが、その語源はギリシャ語の「kaktos」です。
 ギリシャ語の「kaktos」は、シシリア島のキク科のトゲの多い植物(スパニッシュアーティチョーク、チョウセンアザミ)に付けられた名前です。

 ※和名の「チョウセンアザミ」は朝鮮には分布していません。昔は出所のよく分からない植物については唐(中国)あるいは朝鮮から来た植物として名前を付けることがよくあったようです。

 植物のアーティチョークにはトゲがありますが、トゲの多い植物という意味の「kaktos」という言葉がこの植物に充てられました。
 そして、ギリシャ語の「kaktos」がラテン語に取り入れられて「cactus」となり、英名:cardoon(カルドン)、学名:Cynara cardunculus L. )というアザミに似た植物に充てられました。なお、アーティチョークは学名:Cynara scolymus L.になっています。

 1600年代にリンネ(Linnaeus)がこの植物に関係すると考えた(実際には関係がなかった)グループに「cactus」という名前を付けました。それが現在のcactus科(サボテン科)のグループだったんです。

 昔と現在とではcactusの意味する植物がリンネによって、アーティチョークからサボテンへと替えられてしまったのです。
 しかしながら、cactusがトゲの多い植物の意味なので、現在のサボテンの方がピッタシだったとも言えます。

 サボテンの属名に「○○cactus」という属が沢山あります。
 人名・地名に因むもの、あるいはラテン語やギリシャ語から付けられたものがありますが、後者については「○○サボテン」属というのではなく、「○○のようなトゲのある植物」の属という意味になります。

 例えば、なじみのある属では

   Echinocactus・・・ギリシャ語のechinos(ヤマアラシのような)+cactus(トゲのある)植物の属
   Echinofossulocactus・・・ギリシャ語のechinos(ヤマアラシのような)+fossula(小さい溝のある)
                   +cactus(トゲのある)植物の属
   Ferocactus・・・(大きい・強いトゲに関連して)ラテン語のferus(荒々しい)+cactus(トゲのある)植物の属
   Notocactus・・・(南アメリカに自生することに関連して)ギリシャ語のNnotos(南の)
                   +kaktos(トゲのある)植物の属

 といった意味になります。(ラテン語のcactusとギリシャ語のkaktosは同意語)

 人名に由来する「Bergerocactus、Borzicactus、Corryocactus、Ortegocactus」属や地名に由来する「Brasilicactus」属は○○氏に献名した、あるいは○○に産するサボテン属の意味になります。


●サボテンとcactusの関係は?
 「サボテン」と言う言葉と「cactus」と言う言葉の関係は、語彙的には全く無関係です。


●次に、石けんの語源
 石けんのことを、ロマンス語系では、
   フランス語では → savon → サヴォン
   イタリア語では → sapone → サポーネ
   スペイン語では → jabon(xabon) → ハボン
   ポルトガル語では → sabao → サボン
   ラテン語では → sapo → サポ
 と言います。

 英語の「soap」はラテン語の「sapo」に由来すると考えられています。
 ※文字の並びを替える(英語のsoapのoを最後に移す)とぴったり。


●各国の石けんの語源はイタリアの都市Savonaとラテン語のsapo
 イタリアのサヴォナ(Savona)という都市で、12世紀ごろからオリーブ油と海藻灰を原料とした硬い石けんが作られるようになり、ここから、周辺の各国に広がり、都市の名前・サボナとラテン語の石けんの意のsapo(サポ)が似ていることもあって、各国で石けんの名前の語源となって使用された。


●日本にサボンが渡来したのは
 日本に石けんが伝わったのはポルトガルからで、ポルトガル語のsabao(サボン)という言葉で入ってきて、この「サボン」がなまって「シャボン」と発音されていました。

 ※石けん(石鹸)という言葉は日本人が考えた造語で、江戸時代はもっぱら「シャボン」と言う言葉が使用され、明治時代になってから石けんという言葉が多く使用されるようになった。
 ※石鹸の「石」は固いものの意味で、「鹸」は灰をこした水(アク)のことで「鹸」の文字だけで石鹸の意味にもなります。


●広辞苑のサボテンの説明
 「サボてん」は広辞苑にもちゃんと載っていて、見出しが「サボ」はカタカナ+「てん」はひらがなになっています。
 ポルトガル語のsabao「サボン」+「手」の合成語の転と説明されています。
 「サボてん」には「仙人掌」という漢字が当てられています。
 また、「シャボテン」、「覇王樹」(はおうじゅ)とも言う、と書かれています。

 ※広辞苑では、見出しについて、外来語と日本語(漢語を含む)の合成語は、その語の構成・由来の違いが分かるように、外国語由来の部分は「カタカナ」で、日本語由来の部分は「ひらがな」で書かれています。
 例:エーゲ・かい(エーゲ海)、かいきん・シャツ(開襟シャツ)、サボ・てん(サボテン)・・・


●覇王樹は中国の言葉
 広辞苑にも登場する「覇王樹」は、中国(明)の古文書の高濂著の「遵生八牋」(じゅんせいはっせん)(1591年)にすでに記載されて紹介されています。
 また中国の古文書の「花史」(1616年)にも「覇王樹」が記載されているようです。

 なお、現在中国では、もっぱら「cactus」のことを「仙人掌」といいます。これを中国語でなんて発音するかは分かりません。「サボテン」とは読まないのは間違いないと思います。

 ※ 「中日辞典」で読み方を調べました。「仙人掌」は「シェンレンチャン」(発音記号:xian ren zhang)と読みます。
 「仙人掌」はもっぱら「うちわサボテン」に使用し、球型のサボテンは「仙人球」を使用するようです。読み方は「シェンレンチウ」です。
 
 日本では「多肉植物」まで「サボテン」という人が多いという現状を考慮すれば、中国で、「仙人掌」と「仙人球」がちゃんと使い分けされているかは疑問です。

 「覇王樹」も「仙人掌」も中国名だったんですね。


●花譜(1694年)・・・覇王樹が日本で紹介
 このサボテンを意味する「覇王樹」という言葉が日本に紹介されたのは、「花譜(かふ)」(1694年、貝原益軒著)に記述があります。

 「花譜」の「覇王樹」の記述は、読みが「はおうじゅ」ではなく「いろへろ」とふりがながふられています。
 そして、西の国ではこれを「タウナツ」と言うと紹介されています。

 まだこの当時は、「サボテン」という言葉は登場していません。


●倭漢三才図絵(1713年)
 日本最初の百科事典といわれる「倭漢三才図絵」(1713年出版、寺島良安著)に「覇王樹」が記載されていますが、この別名については、出所未詳としながらも「さくらさっぽう(佐久良佐豆保宇)、さんぽて(佐卆保天)、いろへろ(伊呂へ呂)、からなす(唐茄)」と記載されている。また、油汚れを取る旨が書かれている。


●物類品隲(1763年)
 「物類品隲」(ぶつるいひんしつ、1763年、平賀源内著)に覇王樹の説明があり、「仙人掌」とも言うとし、和名を「サンホテイ」又は「タウナス」又は「イロヘロ」又は「サチラサツホウ」と言うと諸書に書かれていると紹介している。

 「物類品隲」の「タウナス」は漢字で書けば「唐茄」で、倭漢三才図絵の「からなす(唐茄)」と同じと考えます。

  ※旧仮名遣いでは、「トウ」は「タウ、タフ」と表記された。

 また、「花譜」に紹介されている「タウナツ」も「タウナス」と同じでないかと推測されます。

●大和本草会識(1783年)
 「大和本草会識」(1783年、小野蘭山著)でサボテンの名をあげ、「この木横に切りて油をすり落とす薬とす。よってシャボンの転言」だとした。


●本草網目啓蒙(1803年)
 「本草網目啓蒙」(1803年、小野蘭山著)の石けんについて書かれているが、「・・・これを畳に油が付いたときは、これを切ってこすれば油を吸い取ることからシャボンというのが転じて俗にサボテンという。サボテンはシャボンから出た名である。」旨が記載されている。


●サボンと覇王樹の接点
 「石けん」という言葉が出来る前から江戸時代には「サボン」あるいはこれがなまった「シャボン」という言葉が広まっていました。

 16世紀後半に南蛮人によってウチワサボテンが日本に持ち込まれた際に、この植物が「覇王樹」であると理解されてはいたが、江戸時代(1700年代)の日本で書かれたいくつかの書物にはこの植物が油を落とす旨が書かれているので、「覇王樹」と言う植物に石けんの「サボン」のイメージが重なって、広辞苑で説明されているように「覇王樹」のことを「サボンて」が転化して「サボテン」というようになったと考えるのが自然な流れと思われます。

 ウチワサボテンの形は手(掌)によく似ていますね。中国名もまさに「仙人掌」ですからね。

●その他サボンに関する言葉
 「草本性譜」で外来植物として解説されている「龍骨木」は「キリン閣」(エウフォルビア属の1種)のこと。
 「物類品隲」で解説されている「覇王鞭」も「キリンカク」で「覇王樹」の1種と書かれているが、上のキリン閣に同じ。
 「物類品隲」の「覇王樹」に記載されている「サンホテイ」は、「倭漢三才図絵」で記載されている「さんぽて(佐卆保天)」が元になっていると考えられるが、それでは何のことか見当がつかないことから、漢字で書くと語呂がよい「三布袋」に転じたものと考えられる。


●サボテンとシャボテンの関係
ポルトガル語のsabao(サボン)と手(て)の合成語からすると「サボンて」→「サボテン」が本来と思われるが、

さかなの鮭を「シャケ」とか「サケ」と発音したり、
砂を「サ」とか「シャ」と読むのと同じ現象で、
石けんを「シャボン」と発音していたため、「サボテン」を「シャボテン」と言うようにもなった。

 なお、現在では石けんのことは「シャボン」と言っても、「サボン」とは言いませんね。

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