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zoom RSS クラッスラ・金のなる木の名前について

<<   作成日時 : 2018/09/16 15:05   >>

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●現在、金のなる木といえば
通称、「金のなる木」と呼ばれている植物は、
  Crassula ovata (syn.C. portulacea C.argentea) クラッスラ・オヴァタのことです。
 (Pachira aquatica 流通名:パキラも金のなる木の別名があります。)

一般的には花月(かげつ)という名前で出回っていることが多いです。
縁紅弁慶(ふちべにべんけい)という和名もありますが、これは一般的には使用されていません。

花月には、多くの園芸品種があり、桜花月、黄金花月、紅花月、花月錦、新花月錦、新花月、姫花月、姫黄金花月などがあります。
花月という名前が付かない花月の仲間もあります。艶姿、ゴーラム、ホビット、落日の雁、満天の星などです。

●金のなる木のいわれは?
「昔遊び心で花月の新芽を5円玉の穴に入れておくと木にお金が成っているように見えたので、金のなる木というようになった」という説明をよく目にしますが、どうなんでしょうか?

「花月」が渡来したのは昭和の初期といわれますが、穴あきの5円硬貨が発行されたのは昭和24年になってからで、その間約20年間何て呼んでいたのでしょう?
 
英名は「Jade Tree」の名前の他に「Penny Plant」、「Money Tree」、「(Silver) Dollar Olant」などと呼ばれ、お金に関する名前が結構ありますが、これは葉の形状が硬貨に似ていることからそのような名前が付いたとされています。
異名のC.argenteaの「argent」はフランス語で「お金」の意味です。

「花月」が渡来した際あるいはその後短い間に英名の名前も紹介されていたと思われます。したがって、昭和24年までの間に、「縁紅弁慶」や「花月」の名前の他にもう既に英名に因む「金のなる木」という名前も使われていたと考えるのが自然な流れと思われます。

そもそも、「金のなる木」という言葉は、江戸時代には既に使用されていた言葉です。

先に「金のなる木」という名前が使われていて、その後に発行された穴あきの5円玉とがコラボしたものと考えられます。

●江戸時代にあった「金のなる木」とは?
江戸時代には「金のなる木」の図が印刷され、人々に配られたり神社に奉納されたりしていたようで、 その「金のなる木」は、

 根〜正直(しょうじ木)
 幹〜慈悲深き(じひふか木)と萬程の良き(よろずほどのよ木)
 左の枝〜家内睦まじき(かないむつまじ木)、養生良き(ようじょうよ木)、費えの無き(ついえのな木)、稼ぎ(かせ木) 
 右の枝〜油断の無き(ゆだんのな木)、辛抱強き(しんぼうづよ木)、潔き(いさぎよ木)、朝起き(あさお木)

といった色々な○○の木で構成されている図となっている。
「金のなる木」とは実際そのような植物があるわけではないが、図に描かれているような「○○の木」を心がければ金がたまる→これを称して金のなる木というものであった。

●明治時代にあった「金のなる木」とは?
明治時代の錦絵に上景気(金のなる木)と不景気(ふけい木)とが描かれていて

その不景気(ふけい木)は、
 幹〜金融悪しき(きんゆうあし木)は古今無類の不景気(ふけい木)
 枝〜くやし木、しかたな木、つまらな木、しんきくさ木、はりあいな木、せけんさびし木、いん木、かねかりおお木、あきないな木、そん木・・・などの多数の○○の木を付けている。

上景気(金のなる木)は、
 幹〜融通良き(ゆうづうよ木)
 枝〜五穀実り良き(ごこくみのりよ木)、戦無き(いくさな木)、負けぬ気(まけぬ木)、お目出度き(おめでた木)、回り良き(まわりよ木)、有難き(ありがた木)、暇無き(ひまな木)、陽気(よう木)、美しき(うつくし木)、忙しき(いそがし木)、働き(はたら木)、早起き(はやお木)、嬉き(うれし木)、評判良き(ひょうばんよ木)・・・などの○○の木を付けている。

江戸時代の例に同じく、実在の特定の植物の名前ではなく、金のたまる心がけの様なものであった。

●金のなる木は実在の植物の名前ではなかった
特定の植物の名前ではないにしろ、「金のなる木」という言葉は江戸時代から存在していた。
昭和30年代の植木等が歌った大ヒット曲(青島幸雄作詞)「ハイそれまでヨ」にも「金のなる木があるじゃなし・・・」のフレーズが登場するのが思い出される。

現在は、クラッスラ属の1植物に「金のなる木」の俗称が付けられましたが、実際5円玉が付いた花月を見ると、「なんて品のないことをするんだろう。趣味が悪い!」と感じるのは私だけではないと思います。


●ところで縁紅弁慶のべんけいとは?
そもそも、エケベリア属、クラッスラ属、セダム属、パキフィツム属などの植物はベンケイソウ科の植物ですが、科の名前になっているベンケイソウはどんな植物か?

 Hylotelephium erythrostictum (syn. Sedum alboroseum)のことをベンケイソウといいます。
平安時代の書物には伊岐久佐(いきくさ)の名前で登場する。活き草・生き草の意味です。
江戸時代には「イキクサ」は、切っておいてもすぐには枯れず、土に挿すと根が出て育つ丈夫な性質から、強いものの代名詞として使われる(武蔵野坊)弁慶に因んで「ベンケイソウ」といわれるようになった。
本来は中国原産で日本には平安時代に渡来し野生化したものです。

弁慶の名前をもらった植物の名前は多いが、たいていは丈夫で強い植物である。
縁紅弁慶もその1つで、葉が光沢のある緑色で縁が赤くなるベンケイソウの名前でつけられたもの。

●花月とは?
広辞苑によると、花月は3項目の説明があります。
(1) 花と月
(2) 風流な遊び
(3) 能の一

※花(花といえば桜のこと)と月は古くから和歌によく詠まれていました。植物の和名の「花月」は、桜色の花と葉っぱを月に見立てて(1)の「花と月」の意味でつけられたものと思います

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