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zoom RSS 完全音程と長・短音程を考える(第2回)

<<   作成日時 : 2018/11/10 10:16   >>

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●前回は、完全音程と長・短音程を考える(第1回)として、完全音程とは一体何だろうかについて書きました。
本日は、その続きです。
もう少し深く突っ込んで、その理由などを考えてみたいと思います。


●平均律以外の音律
@「ピタゴラス音律」〜3倍音のソの音、つまり5度の音に着目し、オクターヴと5度の音を重ねて作った音律がピタゴラス音律。
ピタゴラス音律には、4種類の完全音程が含まれている。

最初のうちは、単旋律のメロディーで歌われていたので美しいと感じていた。
しかし、大勢で歌うときに、高い音・低い音が出せる人・出せない人があり、特に男女で同じメロディだと共通に出せる音が限られてくる。
しかも、単調な曲ばかりでなく凝った曲を歌いたくなる。伴奏も付くようになる。
こうなってくると、単旋律でなく複旋律(つまり、ハモる)で歌ってみたくなる。
伴奏も和音を使うようになる。
すると、完全音はよく協和するが、完全音でない音は協和しないことに気付く。

ピタゴラス音律は、和音には向いていない。何か工夫しようと必然的に考えるようになる。

A「純正律」〜そこで和音の問題を解消するためにピタゴラス音律を改良して生まれたのが純正律。
純正律は、ピタゴラス音律の完全音程以外(レ・ミ・ラ・シ)の振動比を変えて作られた。
純正律は、ピタゴラス音律の完全音はそのままにしたので4種類の完全音程はそのまま残った。
完全音以外の振動比を工夫して変えた。

その結果出来た純正律は、とにかく和音が美しい。
ただし主要3和音「ドミソ」・「ファラド」・「ソシレ」以外の3和音「レファラ」・「ミソシ」・「ラドミ」の響きはの悪さは残った。さらに、音楽が複雑になってくると、曲のイメージを途中で変える転調が行われるようになる。
しかし、純正律は後に盛んになった転調のことまでは考えて作られていない。
西洋音楽の最大の特徴である転調をすると、純正律は不協和音だらけになるとの欠点が明らかになった。

※長調で考えると、主要3和音「ドミソ」・「ファラド」・「ソシレ」はメジャーコード(和音)で、
「レファラ」・「ミソシ」・「ラドミ」はマイナーコードになります。
「シレファ」のコードはマイナーの変形コード・ディミニッシュコードであまり使わない。

全ての長調は、主要3和音はメジャーコード、それ以外の和音はマイナーコードになります。なお、短調は基本的には長調の逆になるのですが、短調には3種類あるので、一律の説明は出来ませんので省略します。

その様な経緯があり、様々な音律が作られて、最終的に一般的に使われるようになったのが平均律。
平均律には、2つの完全音程と、2つの完全音程とみなした音程が含まれている。

Bその他にも、中全音律(ミーントーン)、ヴェルルクマイスタの音律、キルンベルガーの音律、ヤングの音律、他にもまだあるようです。平均律でさえ複数の平均律が考案されました。これらの説明はしませんが、目的は複数の音を同時に鳴らしたときにどうすればきれいに聞こえるか、協和するかを考えた音律です。けっしてゼロから作った音律ではなく、ピタゴラス音律や純正律を基本に修正を試みたものです。


●主要3和音「ドミソ」・「ファラド」・「ソシレ」が美しい理由
いままでの純正律の説明で、主要3和音が美しい旨のことを書きましたが、なぜ美しいのかその理由です。
その理由はメジャー系の和音に含まれる3つの音の周波数比にあります。
ちなみに「ド・ミ・ソ」(Cコード)の3つの音の周波数比は「4:5:6」の比になっています。
実は、「ファ・ラ・ド」(Fコード)と「ソ・シ・レ」(Gコード)も同様に「4:5:6」の比になっているのです。
ここが、美しいとされる理由の重要ポイント。

では、美しくないとされる「レ・ファ・ラ」(Dmコード)と「ミ・ソ・シ」(Emコード)と「ラ・ド・ミ」(Amコード)の比をみてみます。
「レ・ファ・ラ」(Dmコード)は「27:32:40」です。
「ミ・ソ・シ」(Emコード)は「10:12:15」です。
「ラ・ド・ミ」(Amコード)は「10:12:15」です。
残るもう一つのちょっと特別な使用頻度の少ない「シ・レ・ファ」(Bm-5コード=Bディミニッシュコード)は「45:54:64」です。
これらの比が、マイナー系のコードでは単純な比になっていないため、美しくないとされる理由です。


これらの比をどうやって求めたか、気になる方は次に純正律の各音の振動数(周波数)の比を書いておきますので、計算にチャレンジお願いします。
純正律の各音の周波数比:「ド-8:9-レ-9:10-ミ-15:16-ファ-8:9-ソ-9:10-ラ-8:9-シ-15:16-ド」
(見方ですが・・、ドとレの比が8:9で、レとミの比が9:10・・・との意味です。)


※平均律では、メジャー系の主要3和音は「20/12:24/12:27/12で、
マイナー系の3和音は「20/12:23/12:27/12」で、もう一つのディミニッシュコードが「20/12:23/12:26/12」となっています。
(ディミニッシュは「減じる」の意で、本来ならコードの低い音から5度の音程はメジャーもマイナーも同じ音程なのですが、調べに合わせるため5度の音を半音だけ減じたのがディミニッシュコード。)

※平均律では、3和音のコードは、低い音を1度とすると「1度+3度+5度」の3つの音で構成されているので、あるコードがメジャー系かマイナー系かを見分ける方法は、コードを構成する3つの音のうちの一番低い音を1度と考えて「1度と3度を比較する」だけで判断できます。
ある旋律が長調か単調かを見分ける方法も同様に基音の1度と3度を比較するだけで判断できます。5度の音メジャーもマイナーも同じなので無視できます。
1度と3度の間隔が「全音+全音」ならメジャーコードであり長調である、「全音+半音」ならマイナーコードであり短調である。
指数で判断するなら、「全音+全音」は4(24/12)でメジャー・長調で、「全音+半音」は3の差(23/12)でマイナー・短調と判断できます。

ちなみに、「ドレミファソラシド」の「1度のドと3度のミ」だけを比較して、「全音+全音」なのでこれは長調、
「ラシドレミファソラ」の「1度のラと3度のド」だけを比較して、「全音+半音」なのでこれは短調と判断出来ます。

※長調と短調以外も存在します。(教会)旋法という音階です。
教会旋法は、基音(終止音)が「レ・ミ・ファ・ソ」から始まる旋法で、ドリア旋法(レから)、フリギア旋法(ミから)、リディア旋法(ファから)、ミディア旋法(ソから)の5つの各旋法です。( )内の音を基音(終止音と言う)とし、#や♭を全く使わない音階です。(移高・移調すると、#や♭が必要になります。)

なお、終止音から始まる旋法を「正格」旋法と言い、終止音を音階の途中にずらしたものを「変格」旋法と言いました。上記(すぐ下にも登場しますが)に紹介したものは正格旋法だけですが、同じ数だけ変格旋法がありそれらは正格旋法の名前に「ヒポ」を付け加えた名前になっています。(例:正格・ドリアン旋法、変格・ヒポドリアン旋法のように。)変格の方は次第にすたれて現在でも使われることはないようです。つまり現在の音階では、基音(終止音)から始まるものだと認識していますが、そうではなかった時代があったということです。
必要性もなくなりまた話がややこしくなりますので、「変格」のことは忘れていただいてOKです。

基音(終止音)が「ラ・シ・ド」から始まるものは、後になって加えられ、エオリア旋法(ラから始まる)、ロクシア旋法(シから)、イオニア旋法(ドから)の3つの旋法です。
このうちのイオニア旋法が現在の長調と言っているものです。エオリア旋法が現在の短調と言っているものです。
ロクシア旋法は理論上は存在したが、正式に教会旋法に採用されることもなく使われることはなかったと言ってもいい。「シ」を終止音とするのは扱いにくく嫌われていたのがその理由。

他の旋法は次第にすたれたが、ジャズやロックでも取り上げられ復活の傾向にある。知らずに耳にしている名曲にもその旋法で作られたものがある。

これらの旋法も1度と3度を比較することで同様にして、長調系か短調系かを見分けられます。
ちなみに、ドリア旋法は「レとファ」なので「全音+半音」で短調に分類され、リディア旋法は「ファとラ」なので「全音+全音」で長調に分類されます。
したがって、長調や短調には複数存在するわけですが、現在では、単に長調と言えばイオニア旋法の長調を指し、単に短調と言えばエオリア旋法の短調を指すことになります。

旋法名は、例えばイオニア旋法は英語風に読んでアイオニアン旋法(モード)と表記したものなどがあります。
語尾に「ン」を付け加えたものもあります。


●ソ#とラ♭が違う音??
脇道にそれますが、上の方で「純正律の各音の周波数比」が登場したいい機会なので、面白い話を加えます。

ときに「ソ#とラ♭」は同じ音ではない、とネット上での説明を目にします。
知っている限りでは、その理由が説明されていません。
しかし、その話の根拠はこの各音の比で説明できます。

「純正律の各音の周波数比」を見ると、全音の部分に「8:9」(大全音204セント)と「9:10」(小全音182セント)の2種類があることに気付くと思います。
全音に2種類の差があるのです。一体どちらが本当の全音の差なのか?と思いますが、どちらも全音に違いありません。

しかし、半音の部分は「15:16」(大半音112セント)で共通です。
2種類ある全音を半音上げ・下げする場合、2種類の半音が存在しないと対応できないですね。
普通に考えると、「半音+半音=全音」と考えますね。
ところが大半音を2つ足すと224セントで、これは大全音・204セントとも小全音・182セントのどちらとも一致しない。

仮に、半音比は「15:16」だとすると、半音高いとは「16/15」を乗じることを意味します。
逆に、半音低くいとは「16/15」で除することを意味します。
では、大全音比「8:9」の方の方は、半音高くする〜8に「16/15」を乗じて8.533333333になります。
半音低くする〜9を「16/15」で除して8.4375になります。半音上げた音と半音下げた音の周波数が一致しません。

小全音比「9:10」の方は、
半音高くする→9に「16/15」を乗じて9.6です。
半音低くする→10を「16/15」で除して9.375です。これも一致しません。

一致させるように新たに2種類の半音の定義を作る必要が生じます。既存の半音と合計で3つの半音の定義が存在することになります。
全音程の差が2種類あること、半音程2つが全音程に一致しない、この辺りが(デジタル)楽器を演奏するうえで、転調出来ない、あるいは#や♭は使わない・・・ということの大きな要因となっていると思います。
歌を歌う分には自由に転調できます。アナログ楽器も対応できます。でも、ピアノやギターや多くの管楽器は対応できません。

このようなことから、「ド#とレ♭」・「レ#とミ♭」・「ソ#とラ♭」・「ラ#とシ♭」の音は異なると言っているのでしょうが、これはあくまでも純正律という一般的には使わない音律の世界での話です。
といっても、純正律では基本的には短〇度の音(や#や♭の臨時記号)は使いません。

通常使用する平均律では、半音上げた場合と半音下げた場合は必ず一致するようになっています。
ですから、一致しないと説明する場合は、必ず「純正律においては一致しない」とのコメントをしないと、相手側は理解できないと思います。

ピアノの前にオルガンに現在のような黒鍵が登場したのは、14世紀頃のですが、平均律が考案されたのは17世紀(1636年12平均律が登場)らしいのですが、普及するまでには相当な年数がかかりました。
ピアノがかなり遅れて登場し、12平均律が広まり始めたのは1850年代以降、19世紀半ば以降とのことなので、音楽の歴史からすればつい最近のことです。現在の88鍵盤ピアノが標準になったのは第一次世界大戦後(1918年終戦)のことなので、ちょうど100年の歴史しかないようです。

12平均律が普及する以前の純正律では半音が使えません。あるいはそれを改良した中全律やヴェルクマイスターやキルンベルガーの音律でクラッシックの曲が作られています。

純正律で黒鍵を使用するためには、半音の音程を決めておかないと使えません。
半音の対応として、小全音というものが考案されました、長3度と短3度の周波数比が半音に相当する、つまり長3度(CE間)9/8*10/9=5/4と短3度(AC間)9/8*5/16=5/6との比が半音(小半音)というものです。
「5/4:5/6」=「25/24」(70セント)になります。
これで、小半音+大半音=70+112=182セント=小全音となります。これはうまくいくのですが・・・
ところが大半音+大半音=112+112=224セントで大全音の204セントを超えて上手く行きません。

ほかに、基音・1度に対する音程を以下のように考えたものもあります。
黒鍵は5つなので・・・
@短2度16/15(大半音)、A短3度6/5(AC間が短3度なのでその比=長3度の小半音下)、B三全音(ファとソの中間)45/32(FB間が全音3つなのでその比)、C短6度8/5(EC間が短6度なのでその比)、D短7度16/9(DC間が短7度なのでその比)とする・・・

あるいは、
@´短2度25/24(小半音)、A´短3度6/5(長3度の小半音下)、B´三全音25/18(完全4度の小半音上)、C´短6度25/16(完全5度の小半音上)、D´短7度9/5(短3度の完全5度上)とするものもあったようです。


●では、数値的に見ると
完全音程は、振動数比が@「1:1」とA「1:2」とB「2:3」とC「3:4」で、ピタゴラス音律と純正律は完全に一致していますが・・・

平均律では、これに相当する平均律の振動数比は、@「1:20/12=1:1」、A「1:212/12=1:2」〜これは完全に一致していて完全音程です。

しかし、・・・
Bに近いB´は1:27/12、Cに近いC´は1:27/12となっています。
これを、計算すると・・・
B=1.5に対し、B´=1.151554・・・となっています。
C=1.333333・・・に対し、C´=1.33484・・・となっています。
BとCに近いが完全には一致していないことが分かります。


※完全音程と長・短音程を考える(第3回)に続く。
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完全音程と長・短音程を考える(第1回)
完全音程と長・短音程を考える(第3回)

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