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zoom RSS 植物の学名の読み方

<<   作成日時 : 2018/12/20 15:51   >>

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学名はラテン語
植物の学名は、ラテン語です。
この場合、由来がラテン語以外の言語、つまり英語、日本語であっても、
それはラテン語の学名とみなされます。

人名や地名などを語源とするものは、そのほとんどがラテン語以外です。
※人名や地名の語尾に命名規則に則ってラテン語化するための文字をプラスします。


学名は記述語
学名は、会話が目的ではなく、書物等に記述するのが目的なので、
命名のための細かい規則はあっても、読むための規則はありません。

ラテン語の名前なので、ラテン語で読むのが基本であると考えられますが、
ラテン語以外の読み方をしても、何らルールに反するものではありません。

したがって、アルファベットを使用している国では、その母国語風に読んでいる人が多いです。
問題は、公用語がアルファベットでない国の場合です。


日本での学名の読み方
日本語は、アルファベットを使用しない言語なので、
欧米諸国のように母国語読みが出来ません。

そこで、どうやって読むかですが・・・
@ 英語風に読む
A ラテン語風に読む
B 適当に(@とAのちゃらんぽらん風に)読む

読むだけなら、どう読もうとまだいいのですが、その読みをカタカナで書いた書物等では、人によって差が出ます。
すると、異なって記録に残ることに支障があります。

欧米では、そのような現象は起きません。
理由は、読みが違ってもスペルが完全に同じだからです。
この点が、アルファベットを母国語とする国と日本との根本的な違いです。

このような事態を避けるためには、学名はカタカナで書かずに、
学名そのままのアルファベットで書くのが適切と言えます。
カタカナで書くことが避けられない場合は、「学名」の表記を取り去ることです。


●多肉植物の「Haworthia」属の読みは?
例えば、多肉植物の「Haworthia」属は、色々な読まれ方がされています。
「ハオルシア」、「ハオルチア」、「ハオルティア」、「ハウォルティア」、「ハワーシア」などを見かけます。

カタカナで書いた場合、これらが同一の植物を指しているとは気づかないこともあります。

「Haworthia」は、イギリスの植物学者・ハワース(A. H. Haworth, 1768-1833)氏に由来しています。
人名(英語名)を尊重して読めば「ハワーシア」となり、
学名はラテン語なので(古典)ラテン語を尊重して読めば、「ハオルティア」辺りになりそうです。
(ラテン語自体には「w」の文字がない、「th」は「t」と同じ)
現実には「ハオルシア」の表記も多く見かけますが、これは適当な読みの代表的な事例です。

「ハワーシア」と「ハオルティア」以外の読みは、適当な読みと言えそうです。

日本は、母国語としてアルファベットを使用しないので、
出来れば「ラテン語風に読む」のが、選択肢としては一番いいと思います。
なぜなら、ローマ字は小学校で習いますが、ラテン読みはローマ字読みに非常に近いので、
何と言っても日本人には発音しやすいです。


●日本人はラテン語の発音が上手い
こんな話が書かれた文献(日本植物分類学会 ニュースレターNo.41 筆者は、永益英敏氏 ・京都大学総合博物館 )を見ました。
「 イギリス人の植物学者が、きちんと英語風ラテン語の発音をしているかというとそうでもない。

先日、国際シンポジウムで発表していたキュー植物園の友人の学名の発音が、
古典ラテン語でも英語風ラテン語の発音でもなかったので聞いてみたところ、
すでに中高校においてラテン語の講義はなく、ラテン語の読み方は我流だという。

英語風のラテン語発音は母音の長短がわからないと正しく発音できないので学名に厳密に適用しようとするのは基本的にむずかしそうである。

私は古典ラテン語風に発音するのを好んでいる。
そのままローマ字読みすればいいので楽だし、英語風では日本語の中ではちょっと気取りすぎ(?)。

もう15 年ほども前になるが、キュー植物園に標本を見に行ったとき当時の標本館長の Lucas さんに「その発音はどこで習ったのか」と驚かれたことがある。
古典ラテン語の発音はイギリスではなるほど言語学者くらい しか使わないのかもしれない、と思ったことであった。」
※キュー植物園: キューガーデン(Kew Gardens)のこと。英・ロンドンのキューにある王立植物園。1759年に宮殿併設の庭園として始まり、今では世界で最も有名な植物園として膨大な資料を有している。(ウィキペディアより・要約)
※英語風ラテン語: 「教会ラテン語」or「教会ラテン語に近い伝統的英語」を指すと思われる。


●ワシントン条約付属書の表記
ワシントン条約(産業経済省所管)の附属書(植物界)に原種名とその読みが書かれています。
公の文書ですから、その発音はその方面の権威ある方々の意見を取り入れて、
書かれているものと思われ、参考になると思います。

そのいくつかをピックアップしてみます。
・Pachypodium decaryi (パキュポディウム・デカリュイ)
 ※「y」は母音の「ュ」

・Echinocereus schmollii (エキノケレウス・スクモルリイ)
 ※「ce」は「ケ」、「ll」はそれぞれ発音

・Melocactus conoideus (メロカクトゥス・コノイデウス)
 ※「tus」はタスでなく「トゥス」

・Pediocactus peeblesianus (ペディオカクトゥス・ペエブレスィアヌス)
 ※「ee」はそれぞれ発音

・Euphorbia tulearensis (エウフォルビア・トゥレアレンスィス)
 ※「Eu」はユーでなく「エウ」

・Aloe bakeri (アロエ・バケリ)
 ※「 baker」を人名のベイカーと読まない

・Aloe bellatula (アロエ・ベルラトゥラ)
 ※「ll」はそれぞれ発音

・Aloe polyphylla (アロエ・ポリュフュルラ)
 ※「y」は母音の「ュ」

・Cyclamen persicum (キュクラメン・ペルスィクム)
 ※「Cy」はシでなく「キュ」、「si」は「スィ」

・Mammillaria (マンミルラリア)
 ※「mm」・「ll」はそれぞれ発音


※前出の「永益英敏氏 ・京都大学総合博物館」の記述に、次のように書かれています。
(引用)
 『文部省学術用語集植物学編(増訂版)』(文部省・日本植物学会 1990)には参考(pp. 615–661)として植物科名の標準和名のリストが挙げられているが,この参考の前書きに「(4)ラテン名の片仮名書きについては,原則として 1953 年の日本植物分類学会の申合せに従う。」とある。

この「申合 せ」というのは,『日本植物分類學會會報』第 3 号(1953: 1–3)に掲載された「ラテン語の撥音及びカナ文字化」という記事中にある「ラテン語の實際的なカナ文字化(案)」のことである。この申合せに従い,顕花植物については植物学雑誌 65 巻(日本植物分類学会 1952),隠花植物については同 69 巻(日本植物分類学会 1956)に植物科名に関する標準和名表が提案された。

国立情報学研究所のCiNii Booksを検索してもこの申合せが掲載された第3号は国立科学博物館 のみしか所蔵していないようなので,ここに再掲しておきたい。 」


(すぐ上の「再掲」の要約部分を転載します)
その原則は次のようなものである:
1)古典ラテン語の発音を基 礎とする;
2)二重母音はそれぞれの母音ごとにカタカナにし,字を小さくしたりしない;
3)長音符号はなるだけ用いない;
4)子音の次に母音がない場合には[u]の音を補う(-tr, -drの場合はt, dのあとに[o]の音を補う);
5)ギリシア語由来の帯気音hはph(ファ,フィ,フ,フェ,フォ)を除いて無視する;
6)ラテン語またはラテン語化されたギリシア語以外の固有名詞は原則として,その語本来の発音による。



●学名はアルファベット26字
学名に使用される文字は、英語のアルファベットと同じ26字です。
したがって、カタカナ、漢字、アラビア文字、ハングル文字などは使用できません。
また、世界的に使われていても数字や記号もダメです。
ハイホン「−」だけは例外的に、認められています。


ラテン語の文字
学名に使用される文字は、英語のアルファベットと同じ26字。

しかし、古典期に使用されたラテン語の文字数は23字。

「J、U」は中世になって使用されるようになった。
「K」は例外的に2つの言葉にのみ使用され、無いに等しい。
「W」はラテン語を始めロマンス語系では外来語を除き使用されない。

したがって、古典期に使用されたラテン文字は「26文字−J、U、W = 23文字」です。

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