音程と転回

短〇度、長〇度、完全○度・・・

音楽の音程について、「短〇度、長〇度、完全○度」などが使われています。

なぜこのような名前を使うのか?
単に「1度、2度、3度・・・」じゃ不都合なのでしょうか?

今回は、「音程」に関して考えてみます。


音程のこと

そもそも音程(インターバル)は、二つの音の高さの「間隔」、「差」、「距離」の意味のことですが、
数学のように、「a-b=c」のように行かないので、スッキリしないです。

何しろ、二つの音が同じ高さということは、同じだから差は「ゼロ」と考えるのが普通です。
音楽の世界では、音の高さに差がない「ゼロ」の状態を、「1度の音程」というのです。

どうやら、音楽には「ゼロ」の概念がないようです。

※西洋音楽は、紀元前からあったわけですが、その当時は数字上の「ゼロ」の概念がありません。
(存在しない・モノがない状態の概念は、当然ありましたが、その状態がものを数えたりする数字上の「ゼロ」とは結び付いていなかったということです。)


数字の「ゼロ」の概念は、17世紀頃

数字としての「ゼロ」の使用は、628年にインドの数学者・天文学者のブラーマグプタの著書「宇宙の始まり」で、数としての「0(ゼロ)の概念」がはっきりと書かれた、現存する最古の書物とされています。

しかし、ヨーロッパでは宗教上の理由もあり、ゼロが普及するのはかなり後になってからです。
それでも、1600年代までに、ゼロはヨーロッパ全体でかなり広く使われるようになったようです。

このような状況だったので、先行していた音楽では、数を数えるためのゼロの概念がないまま現在に至ったため、現代の感覚とはズレがあるのだと思います。


音程の「ものさし」

さて、音程は「ドレミ・・・」を「ものさし」として使っていると考えてよいのですが、
そのものさしには「0」がなく、「1」から始まっています。

■「ものさし」の使い方
 「ド-ド」間は1度、以降「レ、ミ・・シ、ド」間は「2度、3度・・7度、8度」とする。

② 1度、4度、5度、8度は「完全」音程それ以外(2度、3度、6度、7度)は「長」音程とする。

③ 「完全」音程に「♯」が付いた場合は「増」音程とする。

④ 「♭」が付いた場合は、「完全」音程は「減」音程、「長」音程は「短」音程とする。

※なお、以下はポップスでは使いませんが、
「長」音程に「♯」が付いた場合は「増」音程となり、「短」音程に「♭」が付いた場合は「減」音程となる。
「増」音程にさらに「♯」が付いた場合は「重増」音程となる。
「減」音程にさらに「♭」が付いた場合は「重減」音程となる。

画像
※図のオレンジ色の部分はポップスでは使用しない。


完全系の音程(1度、4度、5度、8度)が♯や♭によって長短系の音程(2度、3度、6度、7度)になることはなく、その逆に長短系の音程が♯や♭によって完全系の音程になることはありません。


※音の高さは同じでも、「音の高さ」と「音名と音程」とは区別します。
例:ミに♯が付くとミ♯で、その音はピアノでファの鍵盤と同じところを弾くことになりますが、
その音名はミ♯であり、ドとの音程は増3度といいます。
完全4度といわない理由は、譜面上は(ファでなく)ミに♯が付いているためです。


音程の具体例

長音階の音階は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」ですので、
音の間隔が「全全半全全全半」の構成になっていて、
合計で全が5つと半が2つあります。

※長音階は全ての調号でこの構成の音階になっています。
なお、短音階(自然的短音階)は、「ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド」(or「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ」)で、
音の間隔は「全半全全半全全」です。
以下は、主に長音階で説明します。

「全=半×2」なので、これを半音の数に換算すると、
全部で(=2×5個+2個=)12個です。

音程には次のように名前が付いています。
長音階のドを基準にした音程は
①「ド-ド」:完全1度 (0個)
②「ド-レ」:長2度 (2個)
③「ド-ミ」:長3度 (4個)
④「ド-ファ」:完全4度 (5個)
⑤「ド-ソ」:完全5度 (7個)
⑥「ド-ラ」:長6度 (9個)
⑦「ド-シ」:長7度 (11個)
⑧「ド-ド」:完全8度 (12個)
※( )内は半音の数


つまり「長音階」は、
完全1度、長2度、長3度、完全4度、完全5度、長6度、長7度、完全8度
の音程の構成です。

以上の音だけを使用するなら、「1度、2度、3度・・・」で問題なさそうです。
おそらく最初は、♯や♭などは使用しない音階だったと思います。

後に、転調する音楽が生まれ、♯や♭が必要になり、新しい音律も作られるようになり、
「長」と「短」を区別する必要が、生じたものと思います。

そして、「長」と「短」を区別する必要がない音は「完全」として呼ばれるようになった。
その後、「長・短・完全」にさらに♯や♭を必要とする音楽が誕生し、
「増」や「減」が誕生したと考えます。


※なお、短音階(自然的短音階)は、
完全1度、長2度、短3度、完全4度、完全5度、短6度、長7度、完全8度
となっています。

ドレミ・・・に臨時記号(♯、♭)が付いた場合のポップスで使う音程は
②短「ド-レ♭」:短2度 (1個)
③短「ド-ミ♭」:短3度 (3個)
④減「ド-ファ♭」:減4度 (4個)
④増「ド-ファ♯」:増4度 (6個)
⑤減「ド-ソ♭」:減5度 (6個)
⑤増「ド-ソ♯」:増5度 (8個)
⑥短「ド-ラ♭」:短6度 (8個)
⑦短「ド-シ♭」:短7度 (10個)
※( )内は半音の数

※「④増と⑤減」、「⑤増と⑥短」は同じ音ですが、譜面上の「音名と音程」は異なっています。


転回音程

二つの音の、高い音はそのままにして、低い音を1オクターブ上げることを「転回」といいます。

ドを基準にした転回の例(ポップスで使うもの)は以下のようになります。
左側:元の音程、右側:転回後の音程
完全1度(ド-ド) ⇄ ⑧ 完全8度(ド-ド)
長2度(ド-レ) ⇄ ⑦短 短7度(レ-ド)
長3度(ド-ミ) ⇄ ⑥短 短6度(ミ-ド)
完全4度(ド-ファ) ⇄ ⑤ 完全5度(ファ-ド)
完全5度(ド-ソ) ⇄ ④ 完全4度(ソ-ド)
長6度(ド-ラ) ⇄ ③短 短3度(ラ-ド)
長7度(ド-シ) ⇄ ②短 短2度(シ-ド)
完全8度(ド-ド) ⇄ ① 完全1度(ド-ド)
となります。

また、短・減・増系の転回音程は
②短 短2度(ド-レ♭) ⇄ ⑦ 長7度(レ♭-ド)
③短 短3度(ド-ミ♭) ⇄ ⑥ 長6度(ミ♭-ド)
④増 増4度(ド-ファ♯) ⇄ ⑤減 減5度(ファ♯-ド)
⑤減 減5度(ド-ソ♭) ⇄ ④増 増4度(ド-ファ♯)
⑤増 増5度(ド-ソ♯) ⇄ ④減 減4度(ソ♯-ド)
⑥短 短6度(ド-ソ♭) ⇄ ③ 長3度(ソ♭-ド)
⑦短 短7度(ド-シ♭) ⇄ ② 長2度(シ♭-ド)
となります。

これらの左右の関係を見ると・・・
完全音程は、転回しても完全音程ですが、
長音程は短音程に、短音程は長音程になります。

また、増音程は減音程に、減音程は増音程になります。

転回しても変わらないのは、完全音程だけです。

転回前と後の度数を足し算すると「9」になり、
半音の数を足し算すると「12」になる、という関係があります。


※度数の足し算で9になる理由:転回すると、低いドが1オクターブ高い音になるので、その音程は完全8度ですが、足し算する過程で、転回しなかった方の音の1度分が重複して足し算されるので「9」になります。
(同音が1度であることを、思い出してください。)

これを半音の数で考えた場合は、1オクターブは半音12(=全音5つと半音2つ)で重複する音はないので、「12」になります。


ブログの書き方の本を読んで反省

最近、ブログの書き方に関する本を数冊買い、
ネット上の情報も勉強させていただきました。

それらには、私がやってこなかったことが色々と書かれていました。
そのすべてを実践するのは無理だと思いますが、
いくつかは心がけてチャレンジして見たいと思います。
その一つが、「テーマを一つに絞る」ことでした。

私のブログに関しては、今までそのようなことを意識しないで書いていました。
この点は反省したほうがいいと思いました。

で、過去の記事を見ると、色々詰め込んで書いているものが目立ちます。

試しに、「 完全音程と長・短音程を考える(第1回) 2018/10/11」を分解して書き直してみようと思い、
その第1号が、今回の記事です。

分解したので、その残りがありますが、順次チャレンジするつもりです。
まだ反省すべき点が多くありますので、それも心がけてみたいと思います。

※「 完全音程と長・短音程を考える(第1回) 2018/10/11」の記事は、当分の間は削除しないでおきます。

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この記事へのコメント

  • tor

    ゼロの概念の発見ってすごいことなのですよね。
    以前「ゼロの発見」についての本を読んだ記憶があります。
    今は普通に使っていますが…

    ブログのテーマを1本に絞るのは
    難しいですね。
    私も、あれもこれも書きたいと思います。
    2019年06月27日 19:06
  • わけい

    こんばんわ!torさんへ
    コメントありがとうございます。
    「ゼロの発見」は面白そうな本ですね。読んでみたい気がします。
    1つの記事に、いろいろ詰め込んでしますのは、もしかしたら「書き手の立場」から書いていて、「読みても立場」のことを考えていない状態なのかなと、今思いました。
    気持玉とは無関係にネットの検索でやってきた方は、きっとタイトルあたりを見てクリックした方だと思いますが、その方の期待と関係ないことが書かれていると、どう思われるか?などと考えると、やってきた方の期待にある程度答えるような内容のほうがいいのかなと、感じました。
    でもブログの書き方などの本を読むと、自分のブログが情けなくなって書く気が失せてしまうので(←これは私の体験)、人にはおすすめできません。
    2019年06月29日 00:42