太陽圏外の人工物・ボイジャー1・2号の現在位置

voyager77.PNG
2018年12月21日の記事で「地球から最も遠い人工物・ボイジャー1号と2号の現在位置」取り上げているのですが、その後どうなっているのか気になっていました。

今回は、昨夜(2020/03/16)入手したデータをふまえて、ボイジャー1・2号に関してのお話です。


2020/03/16時点のボイジャー1号・2号の位置
1977年9月5日に打ち上げられたボイジャー1号と、1977年8月20日に打ち上げられたボイジャー2号は今どこにいるのでしょうか?

42年半前に打ち上げられていますが、2020/03/16日時点の現在地を確認してみました。

voyager20200316b.png
データ:NASA Voyager Mission Status



ボイジャー1号の位置 2020/03/16時点

・打ち上げ1977年9月5日12:56
・打ち上げからの経過時間42年06月11日00時間01分13秒経過
・地球からの距離:22, 221, 989, 855km、約222億km
 天文単位(太陽-地球間=1)だと:148. 544 827 22の距離
・片道光時間(電波が届くのに要する時間):20時間35分24秒



ボイジャー2号の位置 2020/03/16時点

・打ち上げ 1977年8月20日14:29
・打ち上げからの経過時間42年06月24日22時間28分13秒経過
・地球からの距離: 18, 501, 658, 383km、約185億km
 天文単位(太陽-地球間=1)で: 123. 675 947 37の距離
・片道光時間(電波が届くのに要する時間): 17時間08分34秒



後から打ち上げられたボイジャー1号の方が遠いところにいる理由

1号と2号を比較して、15日22時間26分23秒早く2号の方が先に打ち上げられています。
でも遠くにいるのは1号の方です。

先に打ち上げられた2号の方が太陽系の遠くの惑星まで観測するミッションが多かったために、太陽系を脱出するのが後になったためです。


太陽圏を脱出した人工物はボイジャー1号と2号だけ

space_solar_system.png
ボイジャーの位置は、遥かかなたなので上の画像には入りきらないです。

2012年に人類史上初めてボイジャー1号が太陽圏の外へ脱出したことが確認されています。
ボイジャー2号は2018年に太陽圏外に脱出しました。

※太陽圏:NASAによれば、太陽圏とは太陽から放出されている荷電粒子(太陽風)と太陽の磁場が及ぶ範囲の空間のことだそうです。
また太陽圏は「星間空間を航行する船のよう」なものだそうです。

天の川銀河の渦巻きとともに公転している太陽圏は、ある方向へ進んでいます。
したがって丸~い球の中心に位置するのではなく、太陽圏はあたかもほうき星のように先頭があって後ろの方に細長く尻尾が付いているような状態で(といっても、確認した人は誰もいません。)、太陽系はその先頭に位置しているそうです。
ボイジャーはその先頭の先の方の太陽圏を脱出しています。

※なぜ太陽圏の先頭の方から脱出したかは、そこが一番太陽圏の距離が小さいからだと思います。

voyager0022.jpg
この画像は少し古いですが、淡い水色部分が太陽圏、濃い青色が太陽系、ボイジャーは太陽の左側に位置していますが、現在は2機とも太陽圏を脱出しています。太陽圏は左側に向かって銀河系を公転しています。



42年前は皆さん若かったですよね

地球と太陽の距離は(楕円軌道のため一定ではないが平均して)約1億5000万km離れています。
この距離を1天文単位(正確に、149 597 870 700m)として定義されています。

1天文単位を光速(299 792 458 m/s)で進んでも、「499.004783836秒」かかります。
約8.3分ですね。
仮に太陽が一瞬にして消滅しても、8.3分間は気が付かないことになります。

ボイジャー1号は約150天文単位のところにいますので、太陽より150倍遠いところにいるということですね。

42年半前に打ち上げられましたが、現在でも毎日NASAと通信し続けているようです。

各宇宙船には、地球の音、写真、メッセージが記録された12インチの金メッキ銅ディスク(Golden Record)が搭載されています。
宇宙船は何十億年も続く可能性があるため、このGolden Recordのタイムカプセルは、いつの日か人間の文明の唯一の痕跡になる可能性があります。
引用:NASA


ボイジャー1号の現在の速度は、秒速で13.369km(約14.4km)で太陽圏から遠ざかっています。
マラソンの競技ならゴールするまで3秒もかからないので、きっと”目の前を何かが通り過ぎた気がするけど、たいていの人は気づかない”といった感じになるでしょうか。

ジェット機の通常の速度は相当のエネルギーを使って時速850kmぐらいだそうですが、ボイジャーはその50倍以上の速度でエネルギーの消費は0です。

大気も摩擦もなく加速することはないので、観測データの通信以外のエネルギーは必要ないはずです。
でも、その通信にはエネルギーは使います。
42年間もどうやってエネルギーを賄っているのでしょうか?



ボイジャーのエネルギーの供給

太陽エネルギーに頼らず、42年間もエネルギーを供給する仕組みは「原子力電池」です。

原子力電池は、原子核崩壊の際に発生するエネルギーを利用して発電する電池です。

その燃料の放射性元素に半減期の長いものを採用することで、数十年の長寿命を実現できます。
ボイジャー1号・2号の宇宙探査は数十年単位で探査機が無人稼働しなければならないため、ラジオアイソトープの崩壊熱を利用した熱電発電器が使われています。

具体的には、プルトニウム238 (238P)が崩壊する際に発生する熱を電気に変換しています。
プルトニウム238はアルファ崩壊する放射性同位体で、半減期が87.7年と長期間の宇宙探査ミッション適し、1kgあたりの熱出力も約540ワットと原子力電池の熱源として最も適しています。

「ラジオアイソトープの崩壊熱を利用した熱電発電器」の仕組みですが・・・

まずアイソトープですが、「元素」は陽子の数に着目しますが、その元素には中性子の数が異なるものがあるのでそれを考慮する際は「原子」といい、それらを「同位元素」=「同位体」=「アイソトープ」といいます。

アイソトープの中でも、ひとりでに放射線(アルファ線・ベータ線・ガンマ線など)を出して他の種類の原子核に変わる(=崩壊してする)ものを、ラジオアイソトープといいます。

ラジオアイソトープが崩壊する際には熱を生み出します。崩壊しない物質との温度差が生じますね。
その温度差を電気エネルギーに変換しています。
ラジオアイソトープ崩壊 → 熱発生 → 電力発生 → 電気エネルギー

崩壊によりラジオアイソトープの原子数は、時間経過につれ減少しますが、プルトニウム238の原子数が半分になるまでの時間(=半減期)は、87.7年です。

アルファ崩壊は原子核がより軽い原子核のヘリウム4の原子核に分裂し、そのヘリウム4の原子核が放射線として放出されるものです。
電離作用が強く、高いエネルギーを持ち、物質を透過する力は非常に小さく、一枚の紙や、数センチの空気の層で遮蔽する事ができます。
原子力電池ではこのアルファ崩壊時に生み出される熱エネルギーを熱源として利用しているのです。

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この記事へのコメント

  • tor

    すっかり忘れていました。
    太陽圏を離れて
    まだ旅を続けていたのですね。
    そして今もデータを送っていたのですね。
    2020年03月17日 19:45
  • わけい

    torさんへ
    コメントどうもありがとうございます。
    何しろ42年前から飛行し続けてるってことがすごいですよね。
    ボイジャーのコンピュータのメモリーは、70KB弱で、現在のカメラだと、これでは写真の1枚も撮れないですよね。送信出力も家庭用の蛍光灯1つぐらいの22ワットで、それが地球に届くときには、「1ワットの10億分の10億分の0.1」程度になっているそうです。
    これがどのくらいなのか想像できませんが、携帯やスマホでメールするようにはとてもとても行かないということは容易に想像できそうですね。
    現在はかなりの機器使えなくなっているらしいですが、衛星が42年間も飛び続けていること自体が驚異です。
    torさんが使ったことがあるフォートラン言語で書かれているそうですよ。とにかくすごいですね。
    2020年03月17日 22:27