3つの「ローリングストーン」

●ローリングストーンのグループ名と雑誌名と曲名の関係
中学・高校の同級生でありミステリー作家の友人と音楽の話題で盛り上がったことがある。

最初は、ビートルズの話題だったが、
次第にボブディランの話に変わり・・・
その時に出た話題が「ローリングストーン」だ。

ねえ!「ローリングストーン」の「グループ名」と「雑誌名」と「曲名」は関係あるの?

その時は、「多分無関係だと思う、偶然の一致」とのことで終わった。


●しばらくしてそのことを思い出し、その関係を調べてみた。
その結果、単に「ローリングストーン」と言っても奥が深いことに気付いた。

以下に、調べた結果を書きます。

●英米でのことわざの意味の違い
アメリカとイギリスには、「A rolling stone gathers no moss
ということわざがある。
日本では「転がる石には苔が生えぬ」として知られています。
これは、イギリス由来のことわざだったんですね。

しかし、アメリカとイギリスとでは違う意味に使われている。
「転がる石には苔が生えぬ」の意味をアメリカ流に解釈するか、
イギリス流に解釈するかで違う意味になります。


アメリカでは~「転がる石には苔は生えない」の意味で、
いつも新鮮とのプラスのイメージで使われる。

日本の「流れる水は腐らず」に非常に近い感じだ。

イギリス~「仕事などを落ち着きなくコロコロ変えているようでは、何も身に付かない」との
マイナスの意味で使われている。

日本の「石の上にも三年」に通じるが、日本はマイナスイメージまでは含んでいない。
何事も我慢して続けなさいと教訓的。

「君が代」の「コケの生(む)すまで」は「永く」のたとえの意味で使われているが、
アメリカのことわざのように、転がっていたら苔も生えないし、決してさざれ石が岩になることもない。
逆に身を削るが如く砂になってしまいそうだ。

したがって、
さざれ石が砂になるためにはアメリカのことわざで、
さざれ石が岩になるためにはイギリスのことわざで、
解釈することになる。
画像
この石の存在の意味は?



●グループ名のザ・ローリング・ストーンズ
1962年にイギリスでデビューしたグループなので、
きっと、イギリスのことわざ通りの「転々と職業を変える落ち着きどころのないならず者」のような
マイナスのイメージをわざと利用して、ならず者のキャラづくりのために付けたグループ名と思われる。


●雑誌名のローリング・ストーン誌
1967年にアメリカで創刊された主にロックを中心としたポップカルチャー雑誌。
世界16か国で発行され、2007年からは日本版(季刊誌)も発売されている。
常に新しい情報を発信し続けることを主眼に、アメリカのことわざを引用したと思われる。


●ボブ・ディランの曲のライク・ア・ローリング・ストーン
この曲は、1965年にボブディランによりリリースされた曲。
なお、ボブディランのデビューは1962年でザ・ローリング・ストーンズと同じ。

以下にライク・ア・ローリング・ストーンの1番の和訳を掲げる。
(長いので1番のサビまでです)

かつて貴方は着飾って
物乞いにコインを投げてやっていたよね、
一番いい時期にはさ、そうだろう

注意した方がいいよお人形さん、貴方は必ず痛い目に合うって皆が言ってる
貴方はただからかってるって思ってたろう

貴方にへつらう奴等をバカにして笑ってたよね
今の貴方は声高に語りかけない

今の貴方は誇りなんて持っちゃいないようだよね
自分の次の食事の為に乞わなきゃならない身の上だからね

どんな気分かい
どんな気分かい
家もない様ってのは
誰からも振り返られないってのは
転がる石みたいだってのはさ



歌詞の内容は、金持ちでいい大学を出て(サビ以降の歌詞で分かる)着飾っていた女性が落ちぶれていく様子を歌ったもので、
そこで使われるローリングストーンは、アメリカのことわざの意味ではなく、
文字通りに高い地位から転げ落ちる石に例えたものだ。

これが、アメリカのことわざの意味なら曲の内容として意味をなさなくなる。

なお、この曲が世界でヒットするまでは、ボブディランは文学にもかなり関心があってその道をめざしていたらしい。
この曲は、最初は10ページもある散文詩で、それを元にして曲になったとのことだ。


●NHK番組で放送された解釈
かって、2016/12/10のNHKのボブディランを取り上げた放送の中で、
曲で使われている「ローリングストーン」の解釈で2つの意味が考えられる、と説明された。

①1つは、すぐ上の説明のように転落だ。

②もう1つは、自由になったとのことだ。


私には、自由の発想は出なかったが、その様な解釈する人もいるのか?と感じた。
でも、ひとこと言わせてもらうと、自由に結びつけるのは、かなり苦しい・無理な解釈の気がする。

正解は、それこそディランに聞いてみないと分からないかも。
たとえディランに聞けたとしても、「その答えは、友よ、風の中にある」と言われそうだ。


●まとめると
グループ名: ならず者 イギリスのことわざ由来
雑誌名: 新鮮 アメリカのことわざ由来
曲名: 転落 文章中の言葉の意味より
という使い方がされている。

記事の冒頭の「多分無関係だと思う、偶然の一致」は、
たまたまだが、当たっていた理解になる。

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