音部記号と五線

●楽譜の「ト音記号」と「ヘ音記号」
楽譜には左側に必ず書かれている「ト音記号」や「ヘ音記号」ですね。

ポップス音楽では使うことの無い「ハ音記号」と言うものもあります。

「ト音記号」と「ヘ音記号」とは、別々の五線に書かれて、
分かれているので、音の位置関係が分かりにくいです。

ピアノを弾く人は、「ト音記号」と「ヘ音記号」の両方が書かれている楽譜(大譜表)を使うことが多いと思われます。
私はピアノは弾けず、ギター用の「ト音記号」しか分かりません。

なので、ベース用の「ヘ音記号」の方を見るときは、どこの位置が何の音かをいちいち確認しないと解読できません。


●3種類の音部記号がある
クラシック音楽で使われる「ハ音記号」ですが、指揮者が使う総譜には3つの記号が登場するものが結構あるようです。

この3つの「ト音記号」、「ヘ音記号」、「ハ音記号」以外の音部記号はありません。
この3つの音「ト、ヘ、ハ」は、とても重要な音で、ドレミ・・の基本となる音です。

この3つの音は、「完全音程」の関係になる音ですね。

低い音から「ヘ」の周波数を1.5倍した音が「ハ」の音、
さらに「ハ」の音の周波数を1.5倍すると「ト」の音になるという関係にあります。
(というより、Cを中心に考えて、Cの1.5倍がG、Cの1.5分の1がFの関係)

※なお、現在の音楽で最も使用される「平均律」では、ほとんど気づかない程度にその比率が変えられています。


●3つの音の位置関係
まずは、次の図を見てください。
画像
(小さくて見にくいので、図をクリックすると、いくらか拡大します)


11線譜というものに、「ト音記号」、「ヘ音記号」、「ハ音記号」の位置を表示しています。

上部の5本の線を切り取ったものが、「高音部譜表」=「ヴァイオリン譜表」という一番目にする譜表です。
この場合は当然、「ト音記号」を使います。
その位置は、第2線(上からだと4番目の線)を小さい丸で囲まれた部分が「ト音」の位置を表します。


下部の5本の線を切り取ったものが、「低音部譜表」=「バス譜表」という譜表です。
この場合は当然、「ヘ音記号」を使います。
その位置は、第4線(上からだと2番目の線)を2つの点「:」で挟まれている部分が「ヘ音」の位置を表します。


中央の第6線を中心にして切り取ったものが、「アルト譜表」という譜表です。
使用する記号が「ハ音記号」です。
その位置は、第3線を鏡文字状態の2つの「C」で挟んだ部分が「ハ音」の位置を表します。

いかなる場合も、3つの音部記号の位置関係は変わることはありません。
以上が基本です。


●切り取る5線は色々ある
上で説明したのは、よく使われる基本の話です。
でも実際は、譜表の種類は上の3つだけではありません。

「ハ音記号」を使った譜表は、
11譜表の中央の第6線を中心にして切り取ると、「バイオリン譜表」でした。

11譜表の第7線を中心にして切り取ると、「メゾソプラノ譜表」になります。
この場合も使用する記号は「ハ音記号」です。
しかし「ハ音記号」の位置が変わって来ます。
5線譜の第2線が「ハ音」の位置を表します。

同様にして、
11譜表の第8線を中心にして切り取ると、「ソプラノ譜表」になります。
使用記号は「ハ音記号」で、「ハ音」の位置は第1線になります。

11譜表の第4線を中心にして切り取ると、「テノール譜表」になります。
使用記号は「ハ音記号」で、「ハ音」の位置は第4線になります。

11譜表の第3線を中心にして切り取ると、「バリトン譜表」になります。
この場合は使用記号が「ハ音記号」でもいいし、「ヘ音記号」でもいいのです。

「ハ音記号」を使った場合は、「ハ音」の位置は第5線になります。
「ヘ音記号」を使った場合は、「ヘ音」の位置は第3線になります。
どちらも「バリトン譜表」といいます。


以上で、7種類の譜表が登場しました。


●まだ他にもある譜表
11譜表の上に1本加線をして(11譜表+上部に1本加線)上部の5本を切り取ることもできます。
この場合の使用記号は「ト音記号」で、「ト音」の位置は、第1線になります。
これを「フランス式ヴァイオリン譜表」(=小ヴァイオリン譜表)といいます。


逆に、11譜表の下に1本加線をして(11譜表+下部に1本加線)下部の5本を切り取ることもできます。
この場合の使用記号は「へ音記号」で、「ヘ音」の位置は、第5線になります。
これを「低バス譜表」といいます。

ここまで9種類の譜表を紹介しました。

低い順に整理すると・・・
ヘ音記号を使用
・低バス譜表
・バス譜表
・バリトン譜表

ハ音記号を使用
・バリトン譜表
・テノール譜表
・アルト譜表
・メゾソプラノ譜表
・ソプラノ譜表

ト音記号を使用
・ヴァイオリン譜表
・仏式ヴァイオリン譜表

これらを、一覧にすると・・・
画像
(小さくて見にくいので、図をクリックすると、いくらか拡大します)


※バリトン譜表はヘ音記号かハ音記号のどちらを使用できます。


●ト音記号・ハ音記号・ヘ音記号はg・c・Fをデザイン化したもの
ト音記号は、ト音=G音で、小文字のgの文字が長い年月の間に少しづつ変化して出来たものです。

ハ音記号は、ハ音=C音で、小文字のcの文字を2つ重ねて鏡文字になって出来たものです。

ヘ音記号は、ヘ音=F音で、大文字のFが変化して出来たものです。

色々な譜表がある中で、覚えるのはヴァイオリン譜表(高音部譜表)とバス譜表(低音部譜表)の2つで十分だと思います。
ただこの2つの譜表の音の位置関係は、最初の図で説明したような関係があって、
現在の2つの譜表が成り立っていることを多少でも知っていただければ幸いです。


ここで、2つの考え方が思い浮かぶと思います。
①今まで説明してきた、「切り取る部分を変える方法

②①はつまりは結果的に「音符記号の位置を変える方法」と同じもの
と、考えることもできます。
ただし、注意事項があります。
音符記号の位置を変えた場合は、5線譜には書かれていない音符記号の位置も連動して変わっているのだということを忘れないことです。(3つの音符記号の相対的な位置関係は不変です。)


●まとめ
現在よく使用する、低音部を受け持つ「バス譜表」と高音部を受け持つ「ヴァイオリン譜表」の関係は・・・

11線譜表の下部の5線を切り取ったものが、「バス譜表」でヘ音記号を使います。
11線譜表の上部の5線を切り取ったものが、「ヴァイオリン譜表」でト音記号を使います。

すると、真ん中の第6線が残ってしまいます。
この第6線の音が「ハ音」で、
第6線は「バス譜表」からすると上部の加線であり、
「ヴァイオリン譜表」からすると下部の加線にあたり、
両者は同一の加線になり、どちらも「ハ音」です。

第6線の「ハ音」の加線は低音部と高音部のちょうど真ん中にあり、
「バス譜表」と「ヴァイオリン譜表」の両者をつなぐ役割を果たしていることになります。


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